明治天皇の崩御に際して、乃木大将が殉死したことは有名ですが、そのあとも殉死あるいは後追い自殺がたくさん起きたのでしょうか?漱石の「こころ」を読むにあたって、当時どのような状況だったのか、知りたいのです車に関する質問ならGoo知恵袋。 ?」と問い掛けると、返事は冷たくこう返ってくるだけなのです。, もちろん、先生が罪の意識に苛まれているのはある意味当然の結果だとも思うのですが、自分が傷付きたくない。完璧な存在でありたいと、道徳的に、人道的な路に立って、妻や、その義理の母を愛し、優しくすればするほど、自分の本心は、「偽善者め」と自分を笑っている。, 「お前はそんな、お綺麗な人間では無い。自分で自分の汚さは、よく知っている筈だろう?」と他人に親切にするたびに、お嬢さんに優しくするたびに、心の奥から聴こえてくる声に、責め苛まれていく。, 何かをやりたい。何か、行動をしたいと願い、いざ動こうとすると、「そんなことをする権利は、お前に無い。よく思い出せ」と「こころ」が暴れるのです。. 「明治の精神に殉死」ということは書いてありますが、もちろんそれだけではないでしょう。 それにしても、残された「お嬢さん=妻」のこと、先生の手紙を読んだ学生の「私」のこと。 夏目漱石の『こころ』でよく先生が自殺をした理由であげられるのが、乃木将軍が明治天皇に殉死したことに触発され、「明治の精神」に殉ずる形で自殺を行った。しかし、先生は自分の妻を一人に残したくないから自殺できないともうしていま この小説の主人公である「先生」は、かつて親友を裏切って死に追いやった過去を背負い、罪の意識にさいなまれつつ、まるで生命をひきずるようにして生きている。と、そこへ明治天皇が亡くなり、後をおって乃木大将が殉死するという事件がおこった。「先生」もまた死を決意する。だが、なぜ…。, 夏目漱石の中でも特に有名な作品で、太宰治の『人間失格』と『日本で一番売れた本』を争っている作品でもあります。, 高校の教科書にも登場するので知っている人も多い一方で、読んだことのない人も一定数いるのではないでしょうか。, 内容としては、語り手である『私』が『先生』と出会い、交流、そして先生の過去が描かれています。, 派手な内容ではありませんが、その分、人間の深い所にある様々な感情が描かれ、明治や大正といった時代の移り変わりを感じることができます。, この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。, 私は暑中休暇を利用して友人と海水浴のために鎌倉を訪れますが、友人はすぐに急用で帰ってしまい、一人でどうしたものかと考えます。, 先生は妻の静と下女と一緒に暮らしていましたが、友達がいる様子もなく、私が懇意になったと思ってもどこか距離を感じる接し方をしてきます。, 私は後をついていきますが、先生は友人のお墓だとして、詳しいことは教えてくれません。, 先生は世の中と距離を置いていますが、私に教訓のようなことをいくつも教えてくれ、私にとってまさしく先生と呼ぶにふさわしい人物でした。, 一方で、先生は時折、何かに苦しむ姿を見せますが、私にはその理由が分かりませんでした。, 先生は私の父親の病気の話が出て以降、財産について父親が元気なうちに始末をつけるよう度々口にします。, それから人間の悪意についても言葉が止まらず、いつもの先生とは様子が違っていました。, 私は先生の過去について追及しますが、適当な時期が来ないと話せないと先生ははぐらかすのでした。, 帰省することにしていたため、九月に再会することを約束し、先生夫婦と別れるのでした。, そこには、この手紙が私に届く頃には先生はもうこの世にいないこと、そして先生の過去が綴られていました。, 先生は学生時代に両親を二人とも腸チフスで亡くし、母親の言いつけ通り、叔父を頼ります。, 叔父の援助で先生は東京に出て高校に通い、この頃はそんな叔父を信じ、感謝していました。, するとそれ以来、叔父をはじめ親族の態度が妙になり、先生ははじめてこのままではいけないことに気が付きます。, 先生はそれ以来、叔父に限らず人を疑うようになり、故郷に帰らないことを決めるのでした。, 自分のように、Kも奥さんやお嬢さんの気持ちに触れ、快活になることを先生は期待しました。, しばらくして、Kとお嬢さんが時々二人きりになることが増え、先生は内心、穏やかではありません。, すると、先生は今まで何とも思っていなかったお嬢さんを愛するようになり、Kに対抗心を抱きます。, お嬢さんのささいな仕草や言葉に一喜一憂しますが、ある日、Kからお嬢さんへの恋心を打ち明けられます。, 先生はKを出し抜くことに成功しますが、今更になって良心が痛み、このことをKに伝えられずにいました。, 先生の宛ての手紙が残さていましたが、先生への恨み言などはなく、将来に望みがないから死ぬのだとだけ書かれていました。, 先生はあらゆる人たちからKの自殺した理由についてたずねられますが、答えることができませんでした。, その後、先生たちはKの自殺した夜のことを思い出さないように引っ越し、先生とお嬢さん、つまり今の妻である静は今の家に移り住みます。, 結婚後、先生は静の提案で一緒にKの墓参りに行きますが、Kの命と引き換えに静を得たも同然の先生にとって、これほど辛いことはありません。, 先生はいつまで経ってもKのことを忘れられず、静と顔を合わせると、いつでもKに脅かされます。, こういった理由から先生はたまに静を遠ざけ、理由を知らない静は自分の何がいけないのかと苦しみます。, 最初は失恋のせいだと考えましたが、やがてたった一人になって寂しくなったから自殺したのではないかと疑います。, やがて先生は、人間の罪という大きなものに囚われ、そのせいで毎月にKの墓参りをしたり静に優しくするようにしていました。, 先生は明治に影響を最も強く受けた世代で、天皇死去後も生き残るのは時代遅れだと感じるようになりました。, 最後に先生は、手紙に書かれたことは秘密だとして、私の腹の中にしまっておいてほしいと手紙を結ぶのでした。, 大正という新しい時代を迎えるにあたって、漱石は明治に生きた先生を『明治の精神』に殉死させました。, 妬みなどの個人的の感情はいつの間にか人間の罪に変わり、最後には明治という時代を語るまでスケールの大きな話になっていました。, 学校の授業で一度学んだという方も、実際の作品を読むことで感じることはきっと違うと思うので、ぜひもう一度読んでみてください。. 明治天皇の崩御に際して、乃木大将が殉死したことは有名ですが、そのあとも殉死あるいは後追い自殺がたくさん起きたのでしょうか?漱石の「こころ」を読むにあたって、当時どのような状況だったのか、知りたいのです。よろしくお願いしま それは明治という時代の終わりだといわれています。 漱石は乃木希典の殉死をきっかけに『こころ』を執筆しました。 大正という新しい時代を迎えるにあたって、漱石は明治に生きた先生を『明治の精神』に殉死させました。 「こころ」の連載が始まったのはちょうど百年前の四月だった。朝日はそれを連載した新聞社として、百年経った記念に、百年前とそっくり同じ体裁で再連載をしたということだったが、筆者はその連載を一日も欠かさずに読んだ、熱心な読者のひとりだった。 筆者が漱石の小説を読んだのは� 然「明治の精神に殉死する積もりだ」と言い出して 自殺を決意してしまう。この決断はあまりに唐突で ある。罪悪感は一体どこに行ってしまったのか。先 生が自殺を決意した本当の理由は何か。そして.な ぜ殉死という形を選んだのだろう。これらの謎を明 あるとき、明治天皇の崩御、乃木希典の殉死が重なり、「 自分も明治精神と一緒に殉死したい 」と思い至り、お嬢さん(妻)を残し自殺する。 「こころ」その他情報. |、厄介な『ここスニ 「こころ』解釈をめぐる疑義 I「差異化」という視点I 「こころ」解釈をめぐる疑義 ぬこと、よく解らぬところが多くなる」ことの因について、に思えてならないのである。 あるとき、明治天皇の崩御、乃木希典の殉死が重なり、「 自分も明治精神と一緒に殉死したい 」と思い至り、お嬢さん(妻)を残し自殺する。 「こころ」その他情報. 「精神的向上心のないやつは、馬鹿だ」というセリフがクラスの流行語になった、なんていう思い出もお持ちなのではないでしょうか。高校の読書感想文にも指定される、夏目漱石『こころ』の中のセリフです。なぜ殉死したの?明治の精神って?そして本当の… その「明治の精神」を、乃木大将の殉死は、典型的な例として社会に知らしめたのです。 『こころ』 の「先生」は、この事件に際して、自分の中の自己矛盾を自覚させられます。 30年前、高校2年生だった私が『こころ』をどのように教師から教わったかは覚えていません。 ぱ、明治の精神に殉死する積だと答へました。 た二つの「こころ』論の起爆力によるところは大きいだろう。 かつて私は「こころ」について論じるに際して、作品中に散見 (一一一) される「不整合性」について触れたことがある。その「漱石「こ (四) に改めて引用するのはかえって西垣に失礼かもしれないが、そこ用した。この西垣� 平生使う必要のない字だから、記憶の底に沈んだまま、腐れかけていたものと見えます。妻の笑談(じょうだん)を聞いて始めてそれを思い出した時、私は妻に向ってもし自分が殉死するならば、明治の精神に殉死するつもりだと答えました。 私・・酒、たばこ、将棋をする。父が腎 … 明治天皇の大葬が行なわれた日の夜の、殉死として知られます。 乃木の指揮による日露戦争の旅順攻略戦については、「歴史街道」でも2度特集を組み、情報と物資の補給が不足する中で、可能な限り合理的な戦法を取っていたことを紹介しました。 百年の曲解を祓う 夏目漱石『こゝろ』の正解 . そしてこの小説は、先生の「明治の精神に殉死する」という遺書によって終わる。 これは著者が読者に“(規範としての)先生は死にました。 ”と突き放し、”何を心の拠り所にしていくつもりか。” “拠り所がなく生きていけるのか。 明治天皇の崩御に際して、乃木大将が殉死したことは有名ですが、そのあとも殉死あるいは後追い自殺がたくさん起きたのでしょうか?漱石の「こころ」を読むにあたって、当時どのような状況だったのか、知りたいのです車に関する質問ならGoo知恵袋。 「こころ」解説、その25。kの自殺後。自分から孤独になり、死んだように生き続けた先生。その先生が、「明治の精神に殉ずる」と、最後に自殺を選びます。切っ掛けになったのは、明治天皇が崩御し、その後を追う様に乃木大将が殉死をしたことです。 教科書では残念ながら、「先生の遺書」の、特にKが自殺する場面ばかりがとりあげられています。そうすると、下手をすれば、「三角関係の物語」として、非常に現代的に読み替えられて理解されてしまうわけです。でも、もし「遺書」であるなら、遺書であるからこそ、「遺書」だけを読んでもだめなんです。 漱石は、こころの自序で次のように書いています。 夏目漱石 『心』自序 これ、要するに、最初のタイトルは「先生の … 夏目漱石の『こころ』でよく先生が自殺をした理由であげられるのが、乃木将軍が明治天皇に殉死したことに触発され、「明治の精神」に殉ずる形で自殺を行った。しかし、先生は自分の妻を一人に残したくないから自殺できないともうしていま 小論は近代文学の明治的性格が大正的性格に転化する過程を夏目漱石の「こころ」をめぐって考察し、この作に現われる「明治の精神」という言葉が近代文学の如上の転化過程において持つ精神史的意味を尋ねようとするのである。 妻の笑談(じょうだん)を聞いて始めてそれを思い出した時、私は妻に向ってもし自分が殉死するならば、明治の精神に殉死するつもりだと答えました。私の答も無論笑談に過ぎなかったのですが、私はその時何だか古い不要な言葉に新しい意義を盛り得たような心持がしたのです。 それから� 13.漱石の『こころ』がわからない?② 「明治の精神」とは それでは、「明治の精神」とはいったい何なのか? 乃木大将の殉死をきっかけにしているところから、「明治の精神」を、「国家主 夏目漱石論2.0⑦ 『こころ』論2.0 近代文学2.0 . 「こころ」考察 <明治の精神> 先生とKは明治という時代に生き、そして死んだ。また、「私」の父も明治時代の考え方を色濃く残していた人であった。彼らが「私」に示し、残そうとした「明治の精神」とは何なのであろうか・・・・・・ Kの生き方 開始ページ: 32. 『こころ』の「明治の精神」とは。先生の自殺の本当の理由. 「こころ」考察 <明治の精神> 先生とKは明治という時代に生き、そして死んだ。また、「私」の父も明治時代の考え方を色濃く残していた人であった。彼らが「私」に示し、残そうとした「明治の精神」とは何なのであろうか・・・・・・ Kの生き方 Copyright © 2017-2020 文LABO All Rights Reserved. Amazon 夏目漱石の『こころ』を巡って、近代文学1.0 先に述べた近代資本主義という考え方にも関わってくるのが、「明治の精神」という言葉です。遺書の中で、先生自身は自分の自殺の理由を「明治の精神」への殉死であると述べています。 「精神的向上心のないやつは、馬鹿だ」というセリフがクラスの流行語になった、なんていう思い出もお持ちなのではないでしょうか。高校の読書感想文にも指定される、夏目漱石『こころ』の中のセリフです。なぜ殉死したの?明治の精神って?そして本当の… 30年前、高校2年生だった私が『こころ』をどのように教師から教わったかは覚えていません。 「こころ」は山場を迎えようとしています。先生は求婚し、kを出し抜くことに成功しました。そして、だからこそ罪悪感に苛まれていきます。そしてkが死を選択します。今日はそんな場面です。 それで、「先生」は 「明治の精神に殉死」 することを選びました。 100年前の4月20日、朝日新聞紙上で夏目漱石の「こころ」の連載が始まりました。漱石が模索した小説の文体の構築や、考え続けた近代の問題は. §『こころ』に描かれた明治の知識人―先生・私・語り手の問題― 平成7年度・8年度・9年度 公開講座集「文学の森」その2 平成10年12月15日発行 〔編集発行 駒澤大学苫小牧短期大学〕 141~149㌻ 中村道広 夏目漱石『こころ』の先生は、なぜ自殺しなければならなかったのでしょうか。 人文科学 巻: 13. と試みた時も有ったのですが、その度にこころの声が先生に聴こえてくるのです。「お前は、そんなことを行う資格などない」と。, それに対し、憤り、怒り、「何故人の邪魔をするのか! それは明治という時代の終わりだといわれています。 漱石は乃木希典の殉死をきっかけに『こころ』を執筆しました。 大正という新しい時代を迎えるにあたって、漱石は明治に生きた先生を『明治の精神』に殉死させました。 明治天皇の崩御と乃木大将の殉死をきっかけに、先生は自殺を決意し、「私」にすべてを記した遺書を送ります。 『こころ』に感動できる感受性. 「こころ」解説、その24。 今回は、先生がその後小説の中でどのような人生を送って行ったのか。 それを追いかけて行こうと思います。 Kの死後の直後は、先生はKの死因は恋愛にある。自分の恋が成就しなかったこと。そして、友人であ... 「こころ」解説その9です。 今回は、ずっと臆病で、人の観察ばかりをし、一切行動を起こそうとしなかった先生が動くこと。つまり、Kを攻撃することを決心するシーンです。 大修館書店現代文B上巻では、188p~ 筑摩書房精選現代文Bでは、161p~ そして、小説の段落番号は40の部分です。 Kの意志の固さや、その行動力に怯えていた先生が、動く。行動することを決意するとしたら、どんな時なのか。 その心理も含めて、解説していきます。, 「こころ」解説、その16。 今回は、先生の結婚の申し出の後のシーンとなります。 「お嬢さんをください」と奥さんに頼み込み、そしてそのプロポーズがあっさりと受け入れられた後。先生は放心状態で散歩に出かけます。その際にお嬢さん本人ともすれ違いますが、結婚の申し出の事は自分の口からは一切出しません。他愛もないことを会話であいさつ程度に交わすのみ。 そして、延々と散歩をしながら、今頃奥さんはお嬢さんに自分の申し出の話をしている頃だろう、とぐるぐる考えるのです。たとえ声は聞こえなくとも、そんな話をしている時に、同じ屋根の下にはいたくなかった。気づまりで、どんな顔をしていればいいのが解らなかったのでしょう。 その散歩から帰って来てからのシーンとなります。. Kはそのことに関しては何も言わず自殺した。結婚後も、人間の罪と寂寞とを感じ続けた私は、ついに明治の精神に殉死する決心をした。 「こころ」が生まれた。 夏目漱石の『こころ』はよく知られた小説で … 漱石は同時代人として、この殉死をも、ある程度の理解とともに受けとめた。小説『心』の中に、漱石はこんな言葉を綴っている。 《夏の暑い盛りに明治天皇が崩御になりました。そのとき私は明治の精神が天皇に始まって天皇に終ったような気がしました。 明治天皇の大葬が行なわれた日の夜の、殉死として知られます。 乃木の指揮による日露戦争の旅順攻略戦については、「歴史街道」でも2度特集を組み、情報と物資の補給が不足する中で、可能な限り合理的な戦法を取っていたことを紹介しました。 私・・酒、たばこ、将棋をする。父が腎 … 過去を思い出せ。好き勝手に動いた結果。自分の「こころ」に、「衝動」に、素直になって行動した結果は、どうなった? 漱石が「こころ」を書いたきっかけは、乃木希典の殉死に影響を受けたとされています。 この事件が起きた時期は、明治天皇の崩御、乃木大将の殉死と明治の精神から新しい大正という時代への大きな転換期にあたります。 漱石が「こころ」を書いたきっかけは、乃木希典の殉死に影響を受けたとされています。 この事件が起きた時期は、明治天皇の崩御、乃木大将の殉死と明治の精神から新しい大正という時代への大きな転換期にあたります。 明治天皇の崩御と乃木大将の殉死をきっかけに、先生は自殺を決意し、「私」にすべてを記した遺書を送ります。 『こころ』に感動できる感受性. その先生が、「明治の精神に殉ずる」と、最後に自殺を選びます。切っ掛けになったのは、明治天皇が崩御し、その後を追う様に乃木大将が殉死をしたことです。, そして、それに殉ずる、ということは、明治時代という時代は、どんな時代であったのか。それも含めて、解説します。, 生きることが苦痛で仕方がない。死んだような気になって、一切の幸せから背を向けて、お嬢さんや奥さんを大切に扱うことが、まるで義務のように課せられた仕事のように毎日生活をしながら、孤独の影に苛まれていきます。, けれども、外からの刺激で、何かをしよう! 明治の精神に殉死する . その「明治の精神」を、乃木大将の殉死は、典型的な例として社会に知らしめたのです。 『こころ』 の「先生」は、この事件に際して、自分の中の自己矛盾を自覚させられます。 それで、「先生」は 「明治の精神に殉死」 することを選びました。 100年前の4月20日、朝日新聞紙上で夏目漱石の「こころ」の連載が始まりました。漱石が模索した小説の文体の構築や、考え続けた近代の問題は. 小論は近代文学の明治的性格が大正的性格に転化する過程を夏目漱石の「こころ」をめぐって考察し、この作に現われる「明治の精神」という言葉が近代文学の如上の転化過程において持つ精神史的意味を尋ねようとするのである。 掲載誌名: 島根大学論集. また、Kのような人間を作り出すつもりなのか? 主人公が「明治の精神」に殉死するというのは作品の結末としてはいかにも唐突ですが、作者漱石が柄谷氏の理解にあるような「明治の精神」に共鳴していたことがそこに表現されていると読めば、漱石のモチーフは理解できるのではないでしょうか。 また、誰かを不幸にするつもりなのか? 教科書定番教材シリーズの「こころ」です。夏目漱石の名作を、学校で扱うところを中心に膨らませて、「明治の精神」に迫ります。学校よりは深い解説を目指します。 評論文解説『「である」ことと「する」こと』丸山真男著 その1~権利の上にねむる者~. 明治天皇の崩御に際して、乃木大将が殉死したことは有名ですが、そのあとも殉死あるいは後追い自殺がたくさん起きたのでしょうか?漱石の「こころ」を読むにあたって、当時どのような状況だったのか、知りたいのです。よろしくお願いしま 希望を抱いたり、心躍る瞬間を体験した時に、まるで楽しいことを体験する権利など無いと、冷水を浴びせるようにやる気を奪っていく。, 面白いのが、この先生の本心とも言える、こころの奥底から聴こえる声は、あらゆる行動を止めるのに、自殺だけは止めないのです。, これは、先生が本心では、「もう生きてなどいたくない」「こんな苦しみを感じ続ける生活から、解放されたい」と願っていることが、伺えます。死ぬことだけが、安らぎ。生きることに、希望など見い出せない。, 希望に満ち溢れ、偉くなるつもりで上京し、野心を胸に抱いて、未来に希望を抱いていた筈なのに、「失敗をしたくない」「醜い自分を他人に知られたくない」「人からよく思われたい」そんな欲望の声を聞き、抑制できずに行動し続けた結果。生きることに、希望など何一つ見い出せずに、何も動くことすら出来ない未来が待っていた。, もう、この苦しみから解放され、自由になりたいと。それには、「死」しか無いと、思い込むようになります。, どう考えても、現代で言うのならば、うつ病や精神疾患を抱えている状態であることが解ります。ノイローゼ状態よりも、より追い詰められた状態であることは、先ず間違いないでしょう。, 奥さんと無理心中をする考えも有ったのですが、妻を自分の罪の道連れにするのは、酷く痛ましく思えて思いとどまります。同時に、自分に先立たれたお嬢さんの悲しみを思うと、それもまた出来ない。, そんなじりじりとした状況に生かされて、けれどもその生は苦しみに彩られて、他人がどう言おうとも、塗炭の苦しみを味わっていた。, 他人からは、働かなくても食べていける財力と、美しい妻。そして、本人は帝国大学を卒業し、学のある知識人の様な雰囲気を醸し出している。どう見ても、周囲からは羨ましがられる状態の筈です。夫婦仲睦まじく、幸せそのものであるように見えるのに、本人は死にたがっている。苦しいと、心では訴え続けている。, 外見からは、何一つその人の苦しみなど理解は出来ないこと。心に抱えている辛さは、自分の醜さを他者に知らせる、話す勇気を持たなければ、生き地獄の様な状態に追い込まれる事を、小説、という形を通して、漱石が私達に今なお、訴え続けているような気がしてしまいます。, 乃木大将。言わずと知れた、日本陸軍の軍人であり、日清・日露戦争で前線指揮を任された人です。この人に関しては、とっても沢山のエピソードがあるので、興味ある方は調べていただきたいのですが、日本帝国陸軍の超が付くエリートで有り、社会的身分は申し分ないほどに出世を果たしている人なのですが、その乃木大将が殉死の際、書き残したものが新聞に掲載され、それを先生は読みました。, 西南戦争で、自分が失敗をしてからというもの、その失敗の罪の責任を果たすために死のう死のうと思いつつ、生きてきた。, 傍目から見たら、雲の上の様な存在の人で有ったとしても、若い時にしてしまった失敗の苦しみをずっと胸に抱え、死ぬ機会を待ち続けていた。, 私はそういう人に取って、生きていた35年が苦しいのか、また刀を腹へ突き立てた一刹那が苦しいか。どっちが苦しいのだろうと考えました。(本文56章より), 死ぬ瞬間の痛みや苦しみと、この生き地獄の様な時間を生き続けることと、どちらが辛いのか。, 乃木大将の死の理由は、よく解らない。彼の人となりを知っている訳ではないし、直接話したことも無い。だから、よく理解出来ずにはいるけれど、生き地獄のような苦しい時間を耐え、辛い人生を歩んできたことに、恐らく先生は強く惹かれたのでしょう。, 辛い生活からの解放、と取るのか。また、先生が自分だけの事を考え、自分が一番楽になる方法を選択出来る勇気を、乃木大将のエピソードに見出したのかは、解りません。, けれど、現代の医学的な見地で判断すれば、躁鬱病で有った場合、鬱状態の時は、死ぬ事など考えられず、何事にもやる気など起きないものですが、逆に躁状態に切り替わると、急に何もかものやる気が込み上げてくる、と言います。「自殺」と言う事にも、やる気が出てきてしまう。, この殉死を決定づけるシーンの前に、お嬢さんと先生の会話で、「明治の精神に殉ずるつもりだ」と書かれています。, 更に、お嬢さんが、「男女の心はどうしてぴたりと一つにないのかしら?」と先生に問い掛け、「若い時なら可能だろうね」と返事をした先生の答に、お嬢さんは溜め息を零します。, これも、擦れ違いが起きている瞬間なのですが、先生はその後。人間の罪、というものを強く意識するようになります。, 女性は男性よりも、多少常識を外れていても、自分だけに注がれる愛情を喜ぶ性質がある、ということが書かれていますが、これは、私を特別扱いしてほしい、と願う気持ちが女性に強いと言っています。, 現代の感覚で読むと、ここのおかしさ。そして、その後に先生が気付く人間の罪が理解できなくなります。, 周りがどうであろうと関係ない。個人の利益を重視し、自分の存在を確立させることを目的とする、近代的な考え方です。, だからこそ、先生よりも年下なお嬢さんは、この個人主義的な考え方を当たり前の様に肯定していました。, 人道的、道徳的な立場から、人に親切にすべきだし、家族にも愛情を持って接するべきだし、道行く人々にも、同等の親切心を配らなければならない。, つまり、道徳的に。社会が求める行いをすべきである、というのが、江戸時代から続く封建制度の名残を残した、全体主義的な考え方、が先生の思考の基本と捉える事が出来ます。, 世間様が許さない、という言葉に代表される様に、全体の和を乱さない考え方は日本古来から続いてきた考え方です。, けれど、明治はそれを民衆の意識を教育によって変化させるのではなく、明治維新に代表される、一連の改革は外国の、特にヨーロッパ社会の常識と意識を取りこんだものでもありました。, 周りが望む行動を。雰囲気を、和を乱さない生き方を。これが旧来のやり方だとすると、まるで先生の性格そのものです。, 周囲が望む様な行動を常に取り続け、和を乱さず、争いごとを極力避け(負けたくないから)、平和を保つようにする。そこに、個人の幸福は関係がない。全ての臣民は、天皇の考えに従うべきである、という支配的な考え方を当然の様に受け入れていると、全く真逆の個人主義は、別です。, そんな個人主義的な考え方をお嬢さんが持っていることを、先生は何気ない、男女のこころが一つになるのは~という質問から、気付いたのです。, だからこそ、周囲皆に愛情を振りまくのではなく、自分一人を特別に扱ってほしいし、お互いに誰よりも思いあっていれば、心が一つになることも可能だと、お嬢さんは考えていた。, 道徳的に、人道的に。この世には理想とされる生き方が常に存在し、それに反さない様に生きていくべきだ。道徳的に、家族には親切にするのだから、お嬢さんを大切に扱うのです。自分がそうしたいからではなく、人道的にその方が好ましいとされているから、行動する。, そこから外れた行為をしたが故に、友人を自殺に追いやり、こんなにも苦しい人生を自分が生きているのに、お嬢さんはその差に気が付いても居ない。むしろ、何も悪くないと言い切るのではないか。, ならば、自分が信じてきた人道的な道や道徳は何だったんだと、自分の根幹が揺らぐ恐ろしさを体感した直後。明治天皇の崩御を聞いた。, 新しい考え=個人の考えや欲望を肯定する個人主義。 明治という時代の考え=人道的、道徳的立場に立って、社会に求められる人間になろうと努力する、旧時代の全体的考え方。, 明治と言う窮屈な時代を生きてきた先生は、自身の欲望を肯定し、そのことに何一つ苦しんでいないお嬢さんを見て、人間の罪を感じるのです。欲望。エゴを肯定する個人主義とは、どうしても相容れない。それを肯定することは、自分は自分の欲望の為に、Kを自殺に追い込んでしまった。ここまで苦しみ抜いてきたことも、あっさり受け入れられてしまうことを、否定したかった。受け入れられなかった。, だって、受け入れてしまったら、今まで自分が散々苦しんできたのは、間違いだと言うことになってしまう。それは、どうしても先生には出来なかったのです。, このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。, 松村瞳/文章塾「文LABO」主宰。著書に「古典の裏」笠間書院。 テスト問題に対応できるだけでなく、本当の意味での「国語力」を古典や物語の読解能力を通して子どもたちの文章能力に反映。本の感想を話してくれる生徒の笑顔が何よりも大好き。 月間20万PVブログ「文LABO(https//bunlabo.com/)」を運営中。, This site is protected by wp-copyrightpro.com, さて。このブログ1、長いエントリーとなってしまいました。この「こころ」解説も、26回目。 今回は、まとめをしていきます。 そして、様々な解釈をされているこの「こころ」で、明治の大文豪で、現在も日本を代表する作家である夏目漱石が描こうとしたのは、一体何であったのか。 ここまで学校でテストで問われることは有りませんし、小説の解説はそれを読んだ人がそれぞれで持てば良い物だと思っているので、これが正解、と言うわけではありませんが、ざっくりとした理解の為のガイダンスになるかと思います。. 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