また油は水中では分解されにくく、コップ1杯の油で畳1000畳にも広がるため、その臭いや油膜は少量であっても多くの人に不快感を与えます。油による環境汚染を未然に防止するため、油を使用する際には、十分な注意と対策を事前準備しておきましょう。 出典:内閣府「ナホトカ号海難・流出油災害」 オイルフェンスを展開(展張)するには様々な方法があり、油の量や海流、天候等の状況に応じて適切な方法が選択される。具体的には、U字型で展張して底部に油を溜めるケースや、J字型に展張して曳航(えいこう:引っ張りながら航行すること)回収するケース、O字型に閉鎖して保持するケース等がある。例えば、図8の誘導展張(斜め展張)は、海流が強く油の包囲や回収が困難な場合、オイルフェンスを流れに対し斜めに展張し、油を回収しやすい水域に導いたり、流向を変えることで、油の影響を受けやすい地域を保護する方法である。ただし、オイルフェンスは、荒天では油の漏出または乗り越えにより効果が期待できない。, 図7 固形式大型オイルフェンス 流出防止技術としては、海上を絶えず航行する船舶から排出されるビルジその他の油を分離する技術が代表的である。また、食品工業等の油を多く含む排水を処理する技術も、処理水が最終的に海域に放流されるので、広い意味での海洋油濁防止技術といえる(食品工業における排水処理は、「工業排水処理」の解説を参照のこと)。 [3]船舶の航行中に排出すること 海洋への負荷 油による汚染・船内廃棄物(海洋汚染) 適正な処理※3; 参照:海洋環境保全への取り組み. 0000008161 00000 n [2]南極海域以外の海域において排出すること 参照:NOx排出対策、SOx排出対策、煤煙・煤塵対策. みなさんは海洋汚染という言葉を聞いたことはありますか?近年では海洋汚染が世界的に大きな問題となっています。この記事では海洋汚染の原因とわたしたちにできる対策を簡単に解説します。これから先、いつまでも綺麗な海を保てるように、正しい知識を身につけましょう。 バラスト水・船体付着物(生物多様性) 技術開発(バラスト水処理装置※4・ペイント※5など) http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000177.html, 図2 河川水質事故の原因別内訳(平成19年度、関東管内) 日本における油防除対策 ー 現状と課題 ー 海上保安庁 2005/3/7 海上保安庁 環境防災課 2 油流出という災害 タンカーからの油流出 海洋汚染をもたらす災害 海洋汚染及び海上災害 の防止に関する法律 漁業など具体的な損害をもたらす災害 油濁損害賠償保障法 http://www.niigata.pa.hrr.mlit.go.jp/t-hakusan.html, (1)海洋 <]>> 0000007562 00000 n 「海洋汚染から自然を守る」 活動を無料で支援できます! 30秒で終わる簡単なアンケートに答えると、「 海洋汚染から自然を守る 」活動している方々・団体に、本サイト運営会社のgooddo(株)から支援金として10円をお届けしています! 設問数はたったの4問で、個人情報の入力は不要。 0000006634 00000 n http://www.pcs.gr.jp/doc/panfj/j6.html, 図8 オイルフェンスの展張方法の一例(誘導展張) ここでは、北米の海洋で石油汚染を引き起こすあまり知られていない3つの原因について説明する。 1.自然湧出 米国科学アカデミーによると、地下に埋蔵された石油の自然湧出は、北米海洋への推定全体流出量の60%、地 球全体では40%を数える。 価(当所海洋地学部 濱田誠一)」。 本セッションの最後に研究代表者の濱田研究職員が 全体を総括したうえで、研究成果が既に油汚染事故対策 に係る施策や計画等に活用されていることを報告しまし た。特に、我が国唯一の油防除機関である(独)海上災 図1は、全国の一級河川での水質事故の件数である。平成19年に8年ぶりに減少したが、依然として増加傾向にある。, 図1 全国の一級河川における水質事故件数の推移 [4]排出防止装置を作動させながら排出すること, 上記1.[4]の排出防止装置については、以下の表3の通りとなっており、油水分離装置やビルジ用の濃度監視装置の設置が求められている。, (注)今般の改正は、総トン数100トン未満の船舶に装置の設置を義務付けるものではなく、あくまでビルジその他の油の排出時に装置の作動を義務付けたものであり、排出しない場合は設置する必要はない。, 出典:国土交通省 「船舶からの油の排出基準の変更について」をもとに編集 海洋への負荷 油による汚染・船内廃棄物(海洋汚染) 適正な処理※3; 参照:海洋環境保全への取り組み. 0000003345 00000 n 大気を通じての汚染(大気汚染物質が雨などとともに海洋に達して生じる汚染など) さらに、タンカー事故や戦争(「湾岸戦争」での大量の油の流出など)も大きな海洋汚染の原因と考えられる。 次の … 0000000016 00000 n "ナホトカ"の教訓を生かした油汚染対策を (株)海洋工学研究所 出版部長 佐尾和子. 0000001066 00000 n 環境展望台より引用 プラスチックを減らしていこう! 海洋汚染はプラスチック問題がとても大きいようです。 調べてみるとプラスチックの話題ばかりでした。 実効的な燃料油汚染対策及び放置難破物対策の実施の確保に向けた更なる制度整備が急務 となっていた。 以上を踏まえ、本稿では、海洋汚染損害への対応に係る国際的枠組みや民事損害補償制 出典:国土交通省北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事業所「大型浚渫兼油回収船」 ナホトカ号重油流出事故から5年余りが過ぎた。未だ油の残る海岸もある。 0000005926 00000 n 海洋汚染の現状 ・平成30年の海洋汚染の現状について(pdf形式 3,791kb) ・平成29年の海洋汚染の現状について(pdf形式 1,539kb) ・平成28年の海洋汚染の現状について(pdf形式 2,290kb) ・平成27年の海洋汚染の現状について(pdf形式 1,307kb) 「健全な海洋環境」とは、自然の物質循環システムが正常に機能しており、人間活動による環境負荷が海洋の有する浄化能力や生産力等によって物質循環システムの復元力の範囲を超えない状態であり、かつ、このような状態を前提として、豊かな自然景観や健全なレクリエーションの場としての機能を有するものである。そのための具体的な要件としては、 ○ 物質循環が適切に保たれていること ○ 生態系本来の食物網が適切に維持され、その中で豊かな水産資源が保たれていること ○ 有害物質の蓄積、濃縮 … 出典:国土交通省北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事業所「大型浚渫兼油回収船」 endstream endobj 17 0 obj<> endobj 18 0 obj<>/DefaultRGB[/CalRGB<>]/DefaultGray[/CalGray<>]/Metadata 14 0 R/Pages 13 0 R/OpenAction[19 0 R/Fit]/Type/Catalog>> endobj 19 0 obj<>/Font<>/ProcSet 39 0 R>>/Type/Page>> endobj 20 0 obj<> endobj 21 0 obj<>stream http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/topics/suijunkan/dl/051114-2d3a.pdf, 図10 河川における流出油対策の例 実効的な燃料油汚染対策及び放置難破物対策の実施の確保に向けた更なる制度整備が急務 となっていた。 以上を踏まえ、本稿では、海洋汚染損害への対応に係る国際的枠組みや民事損害補償制 図6左は、大型浚渫兼油回収船「白山」である。「白山」は、通常時は新潟西港の浚渫に従事し、油流出事故発生の際は現場海域に出動する。流出油回収装置として、船体両舷に大型油回収装置を備えている(図6右)。また、海面に浮かべて使用する油回収機も装備しており、流出油の状態や海象条件により使い分けることができる。現在、「白山」の他、「清龍丸」(名古屋港)、「海翔丸」(関門航路)の、計3隻の 油回収船によって、48時間以内にほぼ日本全域の油分流出事故をカバーすることができる体制が確立されている。 海洋油濁による被害は、表4に示すように多岐にわたる。海洋油濁の被害は、油の流出量のみならず、油種、油の状態、海域の特徴、海象状況、防除活動の適否等によって大きく被害の程度は変わってくる。, 例えば、1997年に福井県三国町沖で座礁したタンカー「ナホトカ」からの流出油では、C重油や原油が沿岸に漂着した(図3)。風浪により油が海水と混じりあい、容積は3倍程度にふくらみ、低温下で高粘度化して餅状になっていた。このような油は回収船や油処理剤、油吸着材等は適用できない。また、海岸漂着後の回収に比べて、ゴミや土砂類の混入の少ない洋上での回収が効率的である。一方、揮発性の高い原油やガソリン類の流出については、火災や爆発等の災害拡大を念頭に、防爆構造の船舶などを選択する必要がある。海洋油濁防止対策にあたっては、油の流出状況に応じた臨機応変な資材選択、運用が必要である。, 図3 ナホトカ号重油流出事故 沿岸部での回収 出典:『環境汚染防止のための環境技術・装置大事典』産業調査会(2003), 図6 油回収船『白山』(左)と、その油回収装置の模式図(右) 0000001811 00000 n http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/topics/suijunkan/dl/051114-2d3a.pdf, 国立環境研究所では、1997年のナホトカ号の油流出事故に際して、環境庁(当時)及び関連省庁と連携をとり、油分解微生物を用いた生物的環境修復(バイオレメディエーション)による油浄化に関する調査を行った(詳細は「バイオレメディエーション」の解説を参照のこと)。, 出典:(社)日本船主協会「環境コーナー:海運業界と環境問題 1.油による汚染防止(附属書 I)」, 出典:出典:国土交通省 報道発表資料「平成20年全国一級河川の水質現況の公表について」(平成21年7月31日), 出典:国土交通省関東地方整備局「平成20年度(第21回)関水対協 連合水質事故対策訓練のお知らせ」(PDF), 出典:厚生労働省「第1回緊急時水循環機能障害リスク検討委員会議事・配付資料」(PDF), http://www.niigata.pa.hrr.mlit.go.jp/t-hakusan.html, http://www.mlit.go.jp/kaiji/seasafe/safety11_.html, http://www.jsanet.or.jp/environment/text/siryo/siryo3a_05.html, http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000177.html, http://www.ktr.mlit.go.jp/arajo/news/info/h20/1002/kunren.pdf, http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/seisaku/kijunhenkou.htm, http://www.bousai.go.jp/volunteer/html/detail_nahotoka.html, http://www.asahi-kasei.co.jp/eutec/fs_mechanism.html, http://150.48.245.51/seikabutsu/1999/00423/contents/051.htm, http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/topics/suijunkan/dl/051114-2d3a.pdf, http://www.nies.go.jp/kanko/news/18/18-3/18-3-03.html, 世界資源研究所、森林の保護と回復のためには2030年までに行動を加速させる必要があると報告, 総トン数1万トン(地中海海域、バルティック海海域、黒海海域及び北西ヨーロッパ海域にあっては総トン数400トン)以上の船舶, 総トン数1万トン(地中海海域、バルティック海海域、黒海海域及び北西ヨーロッパ海域にあっては総トン数400トン)未満の船舶, 油水分離装置(燃料油タンクに積載した水バラストを排出する場合にあっては油水分離装置及びビルジ用濃度監視装置), (社)日本船主協会「環境コーナー:海運業界と環境問題 1.油による汚染防止(附属書 I)」, 国土交通省 報道発表資料「平成20年全国一級河川の水質現況の公表について」(平成21年7月31日), 国土交通省関東地方整備局「平成20年度(第21回)関水対協 連合水質事故対策訓練のお知らせ」(PDF), 日本財団図書館(電子図書館)より引用:(独)海上災害防止センター編「油防除資機材の性能の評価及び再評価に関する調査研究」報告書, 国立環境研究所ニュース 18巻3号 (1999年8月発行)「海域の油汚染に対する環境修復のためのバイオレメディエーション技術と生態系影響評価手法の開発」(内山裕夫:現筑波大学生命環境科学研究科教授). 油がタンクから外部に漏れだし土壌や川・海等に流出すると環境汚染となります。 昔の廃棄物処理はSolution to pollution is dilitionが普通で、 薄めてわからなくしてしまえばそれで良しとする考え方が主流でした。 こういった経緯で油処理剤は界面活性剤から始まりました。 しかし油は見えなくしても自然の中に残り環境を汚染してしまう為、 できるだけ回収しようという意識が高まり、油吸着材が広まってきました。 そしてバイオテクノロジーの発達と共に、バイオによる油分解処理(バイオ製剤)が 行わ … 油による海洋汚染の現状. 出典:厚生労働省「第1回緊急時水循環機能障害リスク検討委員会議事・配付資料」(PDF) (独)海上災害防止センター編「油防除資機材の性能の評価及び再評価に関する調査研究」報告書 全国の一級河川では、油汚染事故をはじめとする河川の水質事故に対応するために、水質汚濁防止連絡協議会が水系又は地域区分ごとに設置されている。会議の構成メンバーは、国土交通省(地方整備局、河川事務所)、自治体、警察署、消防署、水資源機構などで、水質汚染事故の連絡が入ると、関係者に連絡をとり、連携して水質事故にあたる体制が構築されている。このため、各地の河川事務所には水質事故ホットラインが設けられている。, 図9 河川油流出事故の対応フロー例 また、船舶による海洋汚染に関する包括的な要件は1983年に発効した73/78 MARPOL条約(1973年の船舶からの汚染防止のための国際条約に関する1978年の議定書)で定められ、同条約の附属書Iによって船舶からの油による汚染を防止するための構造や設備要件、基準濃度を超える油水等の排出禁止等が規定されている。73/78 MARPOL条約は、2007年発効の改正に伴い、船舶からの油の排出※規制が強化され、以下のような国際統一基準が策定されている。, ※船舶からの油の排出 xref 0000007760 00000 n 0000003981 00000 n 2 海洋環境の汚染防止対策 (1) 海洋環境の保全指導 ① 海洋環境保全思想の普及・啓発 海洋汚染の大半は不注意による油の排出、故意による廃棄物の投棄等の人為的要因により発生しており、海洋環境保全の重要性に対する認識が未だ十分であるとはいえない状況にある。 海洋汚染防止設備等に関わる立ち入り検査の実施 【継続】海上安全環境部 船舶の定期的検査時に、海洋汚染防止設備等に対する立ち入り検査を行い、海洋環境の保全及 び船舶からの大気汚染の防止対策を推進します。 【25 年度実績】 1 油による汚染 海洋汚染の発生件数のうち油による汚染の発 生確認件数は373件で、前年(302件)と比べ て71件増加しました。 物質別でも油によるものが一番多く、全体の 67%を占めています。これを海域別に見てみる 海洋汚染の現状とその防止対策 http://www.jsanet.or.jp/environment/text/siryo/siryo3a_05.html, (2)河川 海洋に油が流出する原因は、船舶の海難、パイプライン・油田等の事故、それに戦争目的での人為的な油井破壊等がある。船舶からの油流出事故は、大型タンカーの往来が盛んになった1960年代から頻発するようになったが(表1)、事故発生後の石油会社や海運会社による油濁防止対策の強化、国際的な規制の整備等により、流出量は劇的に減少している(表2)。 http://www.asahi-kasei.co.jp/eutec/fs_mechanism.html, 座礁、火災等の海難事故で、海洋への油流出が発生してしまった場合の対処方法として、機械的回収、オイルフェンス、油処理剤、油吸着材等の資材利用が挙げられる。, (1)機械的回収 0000008378 00000 n 他の方式に、装置内に平行板を積み重ねた層を多段に格納し、微小油粒子同士の結合を促して浮上速度を向上させるものがある。また、さらに微小な油粒子(50~60ミクロン以下)を回収するためには、コアレッサーを活用する方式もある。図4は、コアレッサー方式油水分離装置の概略である。水中の油分離の場合、遊離油滴をエレメントにて捕集し、凝集・粗大化する方法で、最小1ミクロン程度の遊離油滴から捕捉できる。コアレッサーによって粒子径が大きくなった油滴は、自力で浮上し、油溜槽にて回収される。 %PDF-1.4 %���� 0000009370 00000 n 0000008656 00000 n 油汚染対策技術とは、油による海洋・河川等の汚濁を防止あるいは処理するために用いられる技術のことで、油分流出防止技術と、流出油処理技術がある。 0000009411 00000 n 海洋汚染の主な原因が船舶であることは事実ですが、最大の汚染源は油田や油井プラットフォームにあります。 2010年4月20日に発生したメキシコ湾での原油流出事故は、自然環境の最大規模の惨事の1つで … 16 26 れている措置については,海洋汚染防止法改正等に より担保している.また,(3)の措置としては,平成 7年12月に「油汚染事件への準備及び対応のための 国家的な緊急時計画」を閣議決定しており,油汚染 事件に関する防災対策と環境保全対策を一体的かつ 0000007665 00000 n 海洋汚染とは人間の出すゴミなどが海を汚してしまうことを指します。海は今どれくらい汚れていて、どのような対策が取られているのでしょうか。生活にも経済にも深く関わる海洋汚染について、詳しく解説します。また、世界の海洋汚染対策も紹介します。 一方、国内の河川での水質事故の件数は増加傾向にあり、その大部分を油の流出が占めていると考えられている。そこで、全国の一級河川には、国土交通省など関連主体からなる水質汚濁防止連絡協議会が水系又は地域区分ごとに設置され、河川への油流出に迅速に対応するための体制が整備されている。河川の油汚染対策で利用される技術も、海洋の油汚染対策技術と本質的には同一であるが、その規模は小さくなる。, 油回収船『白山』(左)と、その油回収装置の模式図(右) http://150.48.245.51/seikabutsu/1999/00423/contents/051.htm, (3)油処理剤 生活排水もいつの間にか川や海いを汚してしまいます。 油はモチロンみそ汁などをそのまま流すと、 水の出入りが少ない閉鎖性水域という海(伊勢湾、瀬戸内海など)にいるプランクトンが増殖して赤潮の原因にもなります! 1970年代は工場からの排水が問題になっていたんですが、 規制によって改善され現 … 世界における油流出の最大量は、1990年1月の湾岸戦争で人為的に原油生産中の油井を爆破して、ペルシャ湾内へ約100万トンの原油を流出させたものである。その他、メキシコや北海、中東等の原油生産地において、石油掘削中の爆発や自噴等で多量の原油が流出するなど、多くの事例がある。, 注)流出量はITOPF資料等による。ナホトカの流出量は海底沈没部分の貨物油を含まない。, 出典:国土交通省「主要なタンカー油流出事故について」 図9に示す実際の油流出事故の対応フローでは、河川の流速が一定以下の場合にオイルフェンスを利用し、流出場所(本川か支川か)、油の量によってオイルフェンスの形式を選択する。さらに必要に応じて吸着材等を使用して油を回収する。実際の回収現場の写真を図10に示す。大河川の例では、オイルフェンス(斜め不連続展張)が使用され、中小河川の例では吸着材が用いられている。 バラスト水・船体付着物(生物多様性) 技術開発(バラスト水処理装置※4・ペイント※5など) 0000005277 00000 n 1 油による汚染 海洋汚染の発生件数のうち油による汚染の発 生確認件数は373件で、前年(302件)と比べ て71件増加しました。 物質別でも油によるものが一番多く、全体の 67%を占めています。これを海域別に見てみる 海洋汚染の現状とその防止対策 http://www.bousai.go.jp/volunteer/html/detail_nahotoka.html, 船舶では運行上、油分を含む水の排出が避けられない。そこで、1.2)で述べたとおり、73/78 MARPOL条約にて、ビルジ等の油の排出の際、油水分離装置の使用を義務付けている。同装置は、水と油の比重差や粘度差等の物理的性質の差を利用して分離する。これは、船舶用におけるビルジ処理だけでなく、食品工業排水処理でも同様である(「工業排水処理」の解説を参照)。 0000008877 00000 n 41 0 obj<>stream http://www.mlit.go.jp/kaiji/seasafe/safety11_.html, 注1)石油荷動量はファンレイ統計、流出量は国際タンカー船主汚染防止連盟(ITOPF)資料などから海事産業研究所が作成。 また、油処理剤の一種として、油の分解能力をもつ微生物を含んだ微生物製剤も開発されている。このような微生物製剤を流出油に散布すると、製剤に含まれる微生物の働きにより、油が分解される。この方法は、広い意味で微生物を用いた環境浄化(バイオレメディエーション)ととらえることができる。バイオレメディエーションによる流出油の分解は、微生物製剤を用いる以外にも、汚染された現場に存在する油分解能力の高い微生物を用いる方法もある。バイオレメディエーションの詳細については、「バイオレメディエーション」の解説を参照されたい。, (4)油吸着材 これは海洋汚染がどーのこーのという前に、見ていて不愉快な思いになりますよね^^; 海に遊びに行って、出たゴミを放置したまま帰ってはいけません! 「ゴミはゴミ箱へ」というのも、海洋汚染から海を守る大事な対策に繋がります^^ startxref 鈴木:油流出事故による海洋汚染とその対策. http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/seisaku/kijunhenkou.htm, なお、船舶から排出される水には、船のバランスを取るため取水され、排出されるバラスト水がある。バラスト水によるプランクトン等の移動とその対策技術については「バラスト水処理技術」を参照のこと。, 油汚染対策技術は、油の流出を防ぐ技術と、流出した油を回収する技術とに分けることができる。以下、海洋の油汚染を中心に、重要な対策技術を紹介する。 0000004547 00000 n [1]希釈しない場合の油分濃度が15ppm以下であること 1 油による汚染 海洋汚染の発生件数のうち油による汚染の 発生確認件数は300件で、前年(369件)と比 べて69件減少しました。 物質別に見ると、油によるものが一番多 海洋汚染の現状とその防止対策 海上保安庁警備救難部 刑 事 課 環境防災課 0000001522 00000 n 油処理剤はそれ自身が化学物質であるため、環境への適用、特に残存しやすい閉鎖性海域での使用においては、二次汚染の恐れがある。そのため、油の状況や海域等を念頭に、慎重に判断する必要がある。我が国では、『海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律』において、使用基準、規格等が定められている。近年、植物原料の利用等より安全性の高い油処理剤の開発が進んでいる。 近年、世界において深刻な問題として取り上げられているのが「海洋汚染問題」です。もちろん周りを海で囲まれた日本にとっても他人事ではない問題で、いま私たちは海洋汚染…(2020年7月3日 1時23分20秒) 出典:出典:国土交通省 報道発表資料「平成20年全国一級河川の水質現況の公表について」(平成21年7月31日) 出典:旭化成せんい(株)「ユーテック®FSの分離の原理」 0000007431 00000 n 参照:NOx排出対策、SOx排出対策、煤煙・煤塵対策. コアレッサー方式は前述のビルジ用途の他に石化プラントプロセス内や排水用途、自動車部品や精密機器等の洗浄用途にも活用されている。, 図4 コアレッサ方式油水分離装置 0000001200 00000 n 油汚染対策として、洋上の回収船や沿岸に設置する回収機による機械的回収のほか、オイルフェンス、油処理剤、油吸着材等の資材が活用される。図は、大型浚渫兼油回収船「白山」である。我が国では、「白山」の他、「清龍丸」(名古屋港)、「海翔丸」(関門航路)の、計3隻の油回収船によって、48時間以内にほぼ日本全域の油分流出事故をカバーすることができる体制が確立されている。 0000001938 00000 n 海洋における油流出がもたらす影響 (国際タンカーオーナー汚染連合(itopf)ホームページから) 油流出は、沿岸の人間活動や海洋資源利用者に深刻な経済的影響をもたらすことが あります。 trailer れている措置については,海洋汚染防止法改正等に より担保している.また,(3)の措置としては,平成 7年12月に「油汚染事件への準備及び対応のための 国家的な緊急時計画」を閣議決定しており,油汚染 事件に関する防災対策と環境保全対策を一体的かつ 海洋汚染事故は、海洋の自然環境や沿岸域で暮ら す人々の生活・経済活動に多大な悪影響を与える。ま た、汚染の除去・拡大防止等のために様々な関係者 が動員され、多額の除去費用も生じる。このように … 一方、油回収技術は、船舶の海難及び、パイプラインや油田の事故等によって流出した油を回収する技術である。 船舶の海上輸送に関連して排出される油量の3分 の2を 占める船舶の運航に伴うものは,タ ンカーの 構造設備の改善を図り,一定の規模のタンカーには, 専用バラストタンクを設置しあるいは原油洗浄装置に 油汚染対策ガイドライン; 射撃場に係る鉛汚染調査・対策ガイドライン; 事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン(土壌汚染対策法に基づく指定支援法人のページへ)(リンク:(公財)日本環境協会) 出典:厚生労働省「第1回緊急時水循環機能障害リスク検討委員会議事・配付資料」(PDF) 海洋プラスチックごみ、何が問題? プラスチックごみによる海洋汚染で特に危惧されているのは海洋生物への影響ですが、人体への影響や経済損失も見過ごせません。何が問題なのか、順に見ていきましょう。 海洋生物への影響. 16 0 obj <> endobj なお、機械的に油分を回収した場合、回収された油分、伴って回収する海水やゴミ類等の貯蔵場所、処分施設の確保も重要なポイントとなる。機械的回収に当たっては、なるべく油分に限定した回収を行うことが望ましい。, 図5 回収作業で使用される機械 2 事故等による油流出汚染の対策 流出油防除体制等の強化 油による海洋汚染を防止するため、marpol73/78条約、oprc条約等にかかわる取り組みを積極的に推進するべきである。 水をはじき、油を吸収または付着させる浮揚性のある素材で、洋上に展張して用いられる。化学繊維や綿などの植物繊維を素材としたものが使われている。オイルフェンス等で油膜を厚くしてから展張する。回収した油の放出を避けるために、吸着後は直ちに回収する必要がある。なお、粘度の高い油には適用が難しい。, (5)河川での流出油処理 航行中に船底に溜まる、機器及び配管等から漏れた水や油のことを「ビルジ」と呼ぶ。これらは溜まり続けるため、一定量以上になったら船外に排出する必要がある。ビルジに含まれる油は海洋汚染の原因となるため、適切に処理される必要がある。, 1.船舶からのビルジその他の油の排出について、すべての船舶に対し、 海での油回収技術を応用したりと対策がすすんでいます! 油汚染対策技術. 79. 海洋汚染の現状とその防止対策 27 3 油による汚染 汚染確認件数のうち、油によるものは257件(前年244件)で、前年に比べ13件増加しており、汚染物質別でみ 海上に流出した油は、洋上にあるうちに機械で短期間に回収することが理想的である。具体的には図5に示すような手法があり、法定の専用回収船のほか、浚渫(しゅんせつ:底部の汚泥等を除去すること)工事に用いられるグラブ船、道路側溝清掃等に用いられる強力吸引車等も活用される。また、沿岸での回収にあたっては、海面に設置される油回収機(スキマー)のほか、動力源、油圧ホース、回収油ホース、簡易タンクから構成される回収装置が用いられる。油回収方式によって、円盤を回転させながら油を付着回収する回転円盤式や、フロート中央部のくぼみに油を集めポンプで送出する堰式(せきしき)等がある。 �{k`��Z��9�|�-�f�=;�Ƿ�.��Bb�#�]J�R?�3xI� )�VS�S��u�4m��.��ZHz�?V��G�͜C�lN/�S`�;��/+���b3z��,/���>'�j�b $��a���+a��{ 9������|p]y�{� http://www.ktr.mlit.go.jp/arajo/news/info/h20/1002/kunren.pdf, 油による海水の汚濁についての国際的な取り組みは、1954年の「油による海水汚濁の防止のための国際条約(OILPOL条約)」から始まり、その後、大規模な流出油事故発生のたびに条約による油濁防止策が強化されてきている。 また、水質汚染対策として考案された無洗米を利用する。 ③食後に皿に残ったソースやマヨネーズ、フライパンに残った油等は新聞紙などの紙やボロギレなどを使って拭き取ってから洗う。 があるため、油汚染にある程度は耐えられるのである。とはい え、油流出だけが海洋の生息環境にかかる人為的負荷ではな い。まん延する自然資源の乱獲および慢性的な都市汚染や産 業公害も海洋生態系内の変動に大きく関わる。激しい自然変 0 油処理剤を用いる方法では、油の分解を促進する薬剤を用いて油の処理を行う。現在使用されている油処理剤は、界面活性剤を石油系溶剤に溶かした薬剤であり、洋上の油に散布することで、油を微粒子化し、自然界で分解しやすい状態にする。 %%EOF 出典:国土交通省関東地方整備局「平成20年度(第21回)関水対協 連合水質事故対策訓練のお知らせ」(PDF) 0000009151 00000 n 近年、世界において深刻な問題として取り上げられているのが「海洋汚染問題」です。もちろん周りを海で囲まれた日本にとっても他人事ではない問題で、いま私たちは海洋汚染…(2020年7月3日 … 油による海洋汚染は世界中で起こっていますが、今回は日本近海での汚染状況に着目していきます。 海上保安庁がまとめたデータでは、 2016年の海洋汚染発生件数が437件 にのぼることが分かっています。 河川での流出油の処理に使用される技術も本質的には(1)~(4)と変わらないが、その規模は海洋よりも小規模のことが多く、大型の回収船は使用できないため、現場の汚染状況に応じて、主に(2)~(4)の技術が組み合わせて用いられる。 オイルフェンス(図7)は、洋上に展張して油を囲い込んで集積するフェンスのことである。オイルフェンスは、浮体、スカート、テンションメンバー、錨、アンカー取り付け部で構成され、浮体種類には、発泡スチロールを用いる固形式、空気を入れる充気式等がある。 スクリップス海洋研究所が2009年に太平洋ゴミベルトを調査したところ、9%の魚がプラスチックを飲み込んでいた。エリクセン氏も最近、5つの区画すべての分析を行ったが、捕まえた魚671匹の35%がプラスチック片を摂取していた。 有効な対策は? 注2)荷動量は原油と石油製品を含む。流出量は、船舶からの石油流出量が700トン以上を対象としている。, 出典:(社)日本船主協会「環境コーナー:海運業界と環境問題 1.油による汚染防止(附属書 I)」 海洋汚染の現状 ・平成30年の海洋汚染の現状について(pdf形式 3,791kb) ・平成29年の海洋汚染の現状について(pdf形式 1,539kb) ・平成28年の海洋汚染の現状について(pdf形式 2,290kb) ・平成27年の海洋汚染の現状について(pdf形式 1,307kb) 油汚染対策技術とは、油による海洋・河川等の汚濁を防止あるいは処理するために用いられる技術のことで、油分流出防止技術と、流出油処理技術がある。 0000007888 00000 n http://www.niigata.pa.hrr.mlit.go.jp/t-hakusan.html, (2)オイルフェンス 0000002707 00000 n 油汚染事故は、船舶の海難やパイプライン・油田等の事故、あるいは河川沿いの工場からの油の漏洩等によって発生する。船舶からの油流出事故については、国際的な取り組みによって油濁防止対策が強化された結果、減少傾向にある。油流出事故発生時の対策にあたっては、油の種類、量、海象条件、海域地形等より最適な手法を選択することが重要である。 出典:日本財団図書館(電子図書館)より引用 0000000831 00000 n ③油防除資機材の整備 新潟港 海洋汚染に対する取り組み -大規模油流出への対応- 施策の効果等 【事故防止対策】 評価対象施策 :平成9年のナホトカ号油流出事故以後に当省が取り組んできた $�Í�S6�Q�`(7�m��JÜ��:x`��a �sW�w�k�Xͅ��#u��0�s���Q������a��7+Q��Hߨ�j����luY����R�v=î1�Tv�rA���b/˼B��;鳁���V. 出典:石油連盟「大規模な石油流出に備えて」 海洋生物への影響は甚大です。
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